技術士には色々な部門がありますが、生活に密接に関係しているのが化学部門の技術士です。化学メーカーに勤務し、身の回りにある生活用品の開発や製造に携わっている人も沢山います。
人々の暮らしの中には、あちこちに化学製品があふれています。身に着けている洋服にもポリエステルやナイロン、レーヨンといった化学的に合成された合成繊維が使われていますし、トイレットペーパーやティッシュペーパー等も化学的に合成された製品です。また、普段の食事で口にしている野菜や果物にも、栽培するのに化学肥料が使われていたりします。化学製品にはシャンプーやハンドソープといった日用品もあれば、風邪薬や解熱剤といった医薬品もあります。化粧水や美容液などのコスメもありますし、食品のパッケージなど多岐にわたります。それから移動に使う車の燃料なども化学的に作られています。化学製品なしでは、生活が成り立たないといっても過言ではありません。普段は何気なく接している品々にも技術士が関わっていることは沢山あります。
化学部門で活躍している技術士の多くは、化学メーカーなど一般企業に勤務して開発や製造などの業務に携わっています。世の中には次々に新しい商品が生まれ、新しい技術も開発されています。昔に比べると、大分便利になったと実感することも多いのではないでしょうか。新しい技術が生まれることで障がいを持つ人や高齢者が生活しやすくなるなど、良い変化が生まれることもあります。化学の知識は、そういった技術の進歩に役立っています。化学部門の技術士の中には研究職に就いて研究を重ねている人もいますし、製造の現場で品質管理などを担っている人もいます。勤務する企業によって仕事内容は異なります。
化学メーカーなどで開発や製造に携わっていると、やはり新しい商品や素材を生み出せたときは達成感を感じます。人々の暮らしに密接に関係している分野なので、ユーザーの声がダイレクトに伝わるというのもやりがいにつながっています。すごく便利になったと喜ばれることもあり、充実感を感じたりします。ただし、ポジティブな意見だけではなく、期待外れだったなどネガティブな意見が届くこともあります。そういったネガティブな意見も改善点につながるので、商品開発などに活かせることも少なくありません。それがモチベーションにもなります。
技術士の資格を取得したからといって、現在の仕事にすぐに生かせるというわけではありません。そのためあまりメリットがないのではないかと考えてしまう人もいると思いますが、転職を考えている時には技術士の資格は多いに役立ちます。技術士は国が認めている国家資格なので、専門的な知識や技術を持っている証明になります。技術系の職種では専門性が高く評価されるので、技術士の資格は大きな武器になります。営業職や事務職などは専門的な知識がなくてもできる仕事なので、事務処理能力やコミュニケーション力など幅広い能力が評価される傾向にあります。技術系の職種の場合には、そういった能力よりも専門性が重視されます。特に化学部門は人材不足といわれているジャンルなので、技術士の資格を取得していれば就職先が見つからないといった心配はあまりないです。
転職活動では、自分のことを売り込むことが求められます。相手に自分の良さを知ってもらわなければいけないからです。元々弁が立つので自分をアピールするのが得意という人もいますが、自分をアピールするのがあまり得意ではないという人もいるのではないでしょうか。そういった人に役立つのが、技術士のような国家資格を取得しておく方法です。資格は持っているだけで強いアピールになるので、転職の際には持っておくと役に立ちます。研究職に就きたいとか、キャリアアップを目指したいといった人にもおすすめです。
技術士資格を取得するには、試験を受けて合格する必要があります。その合格率は20％前後で、決して高いとはいえません。試験の難易度も高いので、しっかりと勉強する必要があります。合格するには、過去問などを中心に取り組む必要があります。